2012年5月24日木曜日

UCI MOUNTAIN BIKE WORLD CUP XCO#4 La Bresse

レース名:UCI MOUNTAIN BIKE WORLD CUP XCO#4 La Bresse
場所:フランス La Bresse
日時:2012年4月20 日 11:30~
結果:33位
1, DHALE FLESJAA Gunn-Rita (NOR: MULTIVAN MELIDA BIKING TEAM) 1:39:57
2, NASH Katerina (CZE:  LUNA PRO TEAM)+0:16
3, BRESSET Julie (FRA: BH - SR SUNTOUR - PEISEY VALLANDRY)  +0:55
33, KATAYAMA Rie (JPN)  +12:54


体調を崩して散々だった先週の大会から1週間後、フランスでワールドカップ第4戦が開催された。レース後はレースのコンディショニングよりも健康を取り戻すことの方に必死な状態だったけど、落ちるところまで落ちてしまったので開き直って公式練習の始まる金曜日までは体を充分に休ませた。

金曜日に走ってみたコースの印象はテクニカル。長く続く登りの途中にはガレた岩場があり、斜度がキツイ区間の後半にあるので勢いや、やせ我慢では登りきれない。自分のペースをコントロールしつつ、ギリギリまで追い込むのは心身共に経験が必要だ。下りは最近のコースに多いようなハイスピードで流れるような派手さはなく、地味に難しい要素が盛りだくさんだった。常に集中して繊細なライン取りとブレーキングをコントロールして、体をあらゆる方向に動かしていく必要がある。攻めすぎたり集中が途切れるとどこでも転倒できるコーナーや岩がひそんでいて、とにかくタフなコースだった。

翌日土曜日の試走では山頂付近でパンク。ホイール交換をして残り少ない試走時間を走ってみたけど前転しただけで全く良いイメージがつかめなかった。その日の試走内容は忘れることにして、パンクしたラインを通らないことと、ハンドルポジションを調整してこれで大丈夫、と言い聞かせ、コースマップを見ながら頭の中で良いイメージを繰り返して本番を迎えた。

photo : Erina

先週に引き続きアスファルトのスタートだったけど、みんなも先週のクラッシュで懲りているのかゆっくりめのペースでスタートした。ぬかるんだオフロードに入ると予想通り渋滞が始まる。とにかくランニングが遅い私はこういった場面順位を落としてしまうけど、まあまあのスタートだ。焦らず、今の自分のベストをこのコースに置いてくることだけに専念する。1周目は登りも下りも選手が連なっていて抜かすことが出来ず、呼吸を落ちつけながら、時々くるチャンスで確実に順位を上げながら走っていった。

2周目に入ると選手もバラけてくる。登り口で中国人選手が追いついてきた。去年のアジア選手権で負けてしまったライバル。ここの勝負は勝っておきたい。試走ではいい感触がつかめなかった下りだけど、2周目のロックセクションで前転したのをきっかけに、“負けてたまるかスイッチ”が逆に入って、下りで選手を抜かす場面が増えてきた。かなりぬかるんでいて多くの選手が転倒していたほどのコースだったけど、フロントにはいたタイヤGrand Cntrolの安定感にはかなり助けられた。後輪にはFast Trackをはいて転がりを重視。今日のコンディションにばっちりのチョイスだった。

数回抜きつ抜かれつを繰り返した中国人選手はラスト2周ぐらいで視界に入らなくなるくらい引き離すことが出来、最後1周は他の選手と競っていた。焦るとコントロールが難しくまた派手に転んでしまったけど、逆に勝負がかかっているからこそ上手く登れた登りもあり、結局その選手からも逃げ切ることが出来た。33位は当初自分が立てた目標(トップ20に常駐)にははるか届かない。でもこれが自分の実力だし認めるしかない。テクニカルなコースに試走の時点では対応しきれていなかったけど、レースを必死に走る過程で「かなり面白いコースだな」と思えるくらい克服できたのが収穫だった。

ワールドカップは世界最高峰のレース。MTBらしいタフなコースと世界一のスタッフ、世界一のライバルたち、そして世界一の観客。やっぱりワールドカップは最高だ。そしてここでもっと上を走ってみたかった。それは出来なかったけど、この魅力的な舞台があるおかげで自分の力を正面から試すことが出来た。

photo : Erina

2年前から始まったワールドカップ転戦とロンドン五輪への道もいよいよ最後のレースを終えた。このレースまでのランキングで各国に出場枠が割り振られる。今までの日本はこのUCIランキングで出場枠を獲得したことがなく、それが日本でも可能なことを示したいと思った。そしてこれに挑戦する過程で自分が世界と互角に勝負できるぐらい強くなって2度目の五輪を迎える、これが長い間思い描いていたことだった。

結果は10-11年が20位、そしていくつかのレースを欠場せざるをえなかった11-12年シーズンが24位。トータルで22位。18位以内の目標は達成するとこが出来なかった。自分で立てた目標に向かって多くのサポーターを巻き込み、それなのに結果を残せなかったことは本当に悔しい。みんなで笑いたかった。ただ、最後まで挑戦し続けられたこと、そして自分の強さと弱さに対峙できたことは決して無駄ではなく、大きな宝物になったと思う。

やれるだけやったので、あとはゼロではないロンドン五輪の補欠枠の可能性と、もう一度世界に挑戦できる9月の世界選手権、そしてまだ叶えられていないもう一つの目標であるアジアで打倒中国(8月)、に向かって今回直面した自分の弱さを少しでも克服し、より強い自分に会えるよう、努力を続けたい。




バイク:SPECIALIZED Fate Expert Carbon 29
タイヤ:SPECIALIZED S-WORKS Grand Control(F)/ Fast Track(R)
ヘルメット:SPECIALIZED S-Works Prevail
アイウエア:OGK Kabuto SMART
ウエア:WAVE ONEコンフォートUVガード半袖ジャージ・レジェフィットサイクルパンツ
データ:POLAR RS800CX BIKE
ペダル:SHIMANO XTR
マッサージオイル:Sports Balm イエロー2
ニュートリション:パワージェル、GOLD’S GYMアルティメッエネルギードリンク
テーピング:New-HALE 
コンディショニング:日本カイロプラクティックセンター大船 
サプリメント・トレーニング:ゴールドジム
メカニックサポート:轍屋自転車店
アイウエア調整:メガネナカジマ
遠征サポート:じてんしゃの杜
合宿サポート:SY-Nakキャビン(長野県 野辺山高原)