2011年9月7日水曜日

UCI マウンテンバイク世界選手権

レース名:UCI マウンテンバイク世界選手権
場所:スイス シャンペリー
日時:2011年9月3日
結果:28位
1 、PENDREL Catharine (CANADA) 1:46:14
2 、WLOSZCZOWSKA Maja (POLAND) +00:28
3 、LECHNER Eva (ITALY) +01:36
28、KATAYAMA Rie (JAPAN) +11:51


Photo : Gary Perkin
 ここスイスシャンペリーのコースは、総じて好調だった去年のワールドカップ転戦の中でまさかのラップアウトになった唯一のコースだ。1周が5キロ弱と短いのでただでさえラップアウトの制限時間が厳しいのに、コースのあちらこちらに張り巡らされた木の根を上手く処理できる選手とそうでない選手の差が出てくる。去年は焦って滑りまくり、転びまくり、散々なレースだった。今年こそは、コースに負けたくない。レースは土曜日。月曜日からコース入りして試走を重ねた。水曜日には意を決してジャンプにチャレンジし、シングルトラックは丁寧に何度もコースを確認してロスなく確実に走れるラインを探していく。コースを小さなループに区切って何度も反復した。普段なら体の調整をメインに試走をするが、今回はコース攻略が主な課題になるような特殊なコースだった。

 水曜日のチームリレーではリレー形式でコースを1周全力で走ったが、まだラインが完璧に決まり切っていない状態のままフルスピードで走ったので、かなり前輪が暴れて木の根に当たって失速し、ふがいない走りだった。このおかげで残された2日間の試走の集中力がさらに高まっていった。

 土曜日。クロスカントリー本戦。春先の転戦で稼いだポイントのおかげで3列目のスタート。集団の中で綺麗に流れていこうと思ったけど、明らかに周りと自分のスピードが違うのでどんどん後退していった。「もしかして、このスランプから復活できないのかな」といやな考えが頭をよぎったけど、レース前に「何が起きても自分自身に集中して走る」と決めていたので走りさっていく集団を気にせずペダルを回し続けた。

Photo : Gary Perkin
 スタートループが終わり1周目に入る。少しずつ体に力が戻り、選手を抜かせるようになってきた。ちょうど、キツイけどなんとか耐えられそうな集団に乗った所でフィードゾーンを通過。そこでハンドルが接触して大転倒してしまった。スピードに乗っている時に急に転んだので一瞬何が起こったのか分からない状態だったけど、幸い体もバイクもダメージは少なかった。落ちたチェーンを直すのに若干てこずってしまったが再スタートしてさっき抜かした選手たちをもう一度追っていく。これをきっかけに順位が後退したらチームに嫌な雰囲気が残りそうだったので無心で前を追った。「何が起きても自分自身に集中して走る」が今日のテーマだ。

 登りは過去の好調な時ほど体に力を感じられなかったけど、今日集中すべきはテクニカルなシングルトラック。出来ないことを考えるより、出来ることに集中しようと思って走り、水曜日のリレーよりも去年のワールドカップよりも、ミスが格段に少なくコースをこなし、去年出来なかったこのテクニカルコースでの完走を果たした。28位という結果は自分の中では「中の上」ぐらい。それでも今の自分の状態を考えると上出来だった。
 また、アジア選手権で負けてしまった中国SHI選手へのリベンジも心の中にあった。ロンドンへの道は険しいけど、世界選手権の場でアジア人1位の成績を残し、少しでもアピールできたら、という思いがあったからだ。彼女の登坂能力は高く、1周目の登りで抜かされてしまったけど、目視できる範囲にとどまり、テクニカルセクションで追い越し、逃げ切ることが出来た。

 体調を崩してから7、8月のワールドカップを3戦欠場し、エントリーしていたロンドン五輪のプレイベントも出場しなかった。この判断が正しかったかどうか迷うこともあったし、気持ちよくこれらのレースを転戦していたかったという悔しい気持ちがかなり大きかった。でも回復期間を取った上でレースを走ってみたいま、いくつかのレースを欠場して世界選手権に向けて時間をかけて再チャレンジできて良かったと思っている。トレーニングをしても上手く体が反応せずに苦しい日々が続いたけど、淡々とトレーニングと休養を継続していくことでレース直前にやっと良い感覚を取り戻しつつある手ごたえを感じた。回り道はしてしまったけど、自分の体と向き合う良い機会だった。ぶっ倒れていても優しく見守り、復活をサポートしてくれた多くの皆さん、本当にありがとうございました。今年の世界選手権は足踏みの結果に終わってしまったけど、もう一回、自分のペースで上を目指してみたいと思います。


バイク:SPECIALIZED S-Works Era 
タイヤ:SPECIALIZED S-WORKS サウザーウィンド 
ヘルメット:SPECIALIZED S-Works Prevail
アイウエア:OGK Kabuto REALIS
データ:POLAR RS800CX BIKE
ペダル:TIME ATAC TITAN CARBON
マッサージオイル:Sports Balm イエロー1
ニュートリション:パワージェル
テーピング:New-HALE
コンディショニング:日本カイロプラクティックセンター大船・伊藤超短波 
サプリメント・トレーニング:ゴールドジム
メカニックサポート:轍屋自転車店
アイウエア調整:メガネナカジマ
遠征サポート:じてんしゃの杜
合宿サポート:SY-Nakキャビン(長野県 野辺山高原)